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0-1-03. ユーザーはフロアーガイドを持っていない

ユーザーは距離も方向も感じる事はできない。迷子になって当然である。

GUIデザインを行う際には、画面階層図や画面遷移図と呼ばれる
ツリー形状の「全体構造図」を作成する。
いわば、部屋と廊下の描かれた見取り図であるが、百貨店や
ショッピングモールにならって「フロアーガイド」と呼ぶことにする。
目的の部屋を探すには、それを見るのが得策であり、それさえあれば
迷子になる事もない。
しかし不幸な事に、ユーザーはそのフロアーガイドを見る事が出来ない。
全体像が把握できていない状態で、建物に入っていく。
それぞれの部屋には、ワープエリア(図中のA〜Iのボタン)があり、
その上に立てば、瞬時にどこか別の部屋に移動する。
文字通り、瞬時に移動するので、ユーザーにとっては、距離も方向も
感じる事はできない。そして、ユーザーは目的の部屋に到達できるまで、
ワープを繰り返す。

ユーザーはフロアーガイドを見る事はできない。
ユーザーが見る事ができるのは「案内サイン」だけである。
ならば、デザインにできる事は「親切な案内サイン」を作る事である。